明けましておめでとうございます。
2024年もマイペースに本サイトを運用していきたいですね!
さて、新年を迎えていかがお過ごしでしょうか?
日本にとって、正月はとてもめでたい行事だと思います。
祝い事は年に何回あってもいい、年に1回なんて少なすぎる。。。←(ただ休みたいだけw)
と言いつつ、そう何度も楽しい行事があるわけなぃ。。。。
いえいえ、 実は、沖縄地方では正月が3回あるんです!
今回は、なぜ沖縄では正月が3回あるのか、その理由を記事にしました。
これを理解できれば、より沖縄文化の奥深さがわかってくると思いますので、楽しんで読んでいただければ幸いです。
もう一度いいます。沖縄では正月が3回あります!
その理由や由来について次に解説していきます。
なぜ2回も正月があるのかというと、 沖縄の行事は、新暦と旧暦という2つの暦(こよみ)
に沿って行われているからです。
ちなみに2024年は、1回目は1月1日~3日、
2回目は、2月10日(旧暦の1月1日)、旧暦の正月は旧正月と言われています。
沖縄の方言で、旧正月は「きゅーそーぐゎち」と言います。
そして3つ目は、あの世の正月(旧暦の1月16日)「ジュールクニチー(十六日祭)」です。
十六日祭は、あの世にいるご先祖様の正月として行われています。
新暦とは、現在の日本でも使われている暦で、明治6年から採用されています。
太陽の動きをもとに月日を定めていることから、太陽暦(グレゴリオ暦)とも言われています。
明治維新ごろは、既に太陽暦が西洋で採用されていたため、
海外交流がこれからさらに増えていくだろうということで、
世界基準に合わせるために導入されたと言われています。
また、もう一つの説として、当時の財政状況が影響していたという説があります。
明治に入って官僚が月給制になり、旧暦だと閏月を入れるため、約3年に1度、13か月分の給料が発生してしまいます。
これを避けるために、新暦にして12か月分の給料で済むようにしました。
旧暦は、月の満ち欠けをもとに月日を定め、太陰暦(または太陽太陰暦)と言われます。
占いなどでは、旧暦が重宝されており、沖縄地方では伝統行事の暦として用いられています。
旧暦はもともと、7世紀ごろに中国から伝わり、明治6年の新暦に替えられるまで使用されていました。
現代の日本で暮らしていると、身近ではほとんど使われていない旧暦ですが、
なぜ沖縄の文化にこんなにも根ざしているのでしょうか?
中国をはじめとするアジア諸国との歴史的な関係 7世紀に中国から旧暦が伝わったと前述しましたが、
沖縄は琉球王国時代から中国やアジア諸国と深い交流があり、
物理的距離においてもアジアの国々と近しく、盛んに貿易を行っていました。
そしてその中でも、最大の貿易相手とされていた中国から文化的なインスパイアを受けていました。
首里城などの歴史的建築物が、少々中国風になっているのもその一つと言われています。
また、近年ブームとなっているサツマイモも、もともとは中国から琉球に伝わり、
琉球が薩摩藩に帰属する際に、サツマイモとなったと言われています。
そして、太陰太陽暦もその一つです。 中国から琉球王国時代に導入され、
それ以来、現在も沖縄文化の一部として継承されています。
中国のほかにも、台湾やインド、ベトナムなどの国々とも交流があり、 胡椒などのスパイスや、
ハブ対策として連れてこられたマングースはそういった国から輸入されたと言われています。
このように、現在の沖縄の文化は中国をはじめとするアジア圏の国々の文化に似ているところが多く残っています。
琉球王国のルーツは中国をはじめとする近隣のアジア諸国にあると言ってもいいでしょう。
この記事のテーマでもありますが、 沖縄地方では旧暦に基づく多くの伝統的な祭りや行事が今も行われています。
例えば、冒頭で紹介した、旧正月は旧暦に基づいています。
それでは、旧暦に沿って行われる、石垣島の代表的な伝統行事を紹介しましょう。
旧暦12月8日に行われる行事。
月桃(さんにん)の葉に包んで蒸した餅を神様(火ぬ神)や仏壇にお供えする行事。
邪気払いと子供の健康を祈願します。
この時期になると、スーパーや餅屋、製菓店などの店頭にむーちーが並びます。
ハーブティーにも使われる月桃のすっきりした良い香りが、中の餅を引き立てます。
餅にもいくつか味があり、プレーン、紅芋、黒糖などが一般的です。ほかにもヨモギがはいったものもあります。
旧暦の大晦日。大きなイベントごとはありませんが、旧正月の準備をしたり、年越しそばを食べる地域もあります。
旧暦の1月1日。
新正月ほどではないものの、神仏に正月飾りや盃を供えて家族の健康と繁栄を祈願すると共に、
ささやかに新年を祝います。
また、旧暦は月の暦であるため、漁業の盛んな地域では、
潮の満ち引きと密接に関係している旧暦を現在も大切にし、旧正月を祝っています。
漁港では漁船に大漁旗を掲げ、大漁や海の安全を祈願します。
旧暦1月2日~3日。年頭に豊漁を祈願する行事。漁船に若松や大漁旗を立て、航海の安全と、豊漁を祈願します。
旧暦1月16日。
後生正月、通称「あの世の正月」と言われています。
ご先祖を大切にする沖縄ならではの行事で、先祖の霊にも正月を迎えさせるべく、 ご馳走や紅白の餅、お酒などをお供えし、先祖の供養をします。
旧暦4月4日に行われる伝統行事。
中国の伝統的な祭日「清明」に由来し、祖先を敬い、お墓を清掃をします。
そして、お墓で家族が一堂に会し、ご馳走を持ち込んで食事をしながらご先祖を供養します。
石垣島では一部の一族が行っており、沖縄本島では十六日祭よりもメジャーな伝統行事とされています。
旧暦5月4日に行われる、海の安全と豊漁を願う伝統的な祭り。
地元の漁師たちによる迫力満点の競漕や、子供たちの可愛らしいエイサーを楽しむことができます。
豊年祭 旧暦6月に行われ、五穀豊穣に感謝し、来夏世(くなつゆ)の豊作、住民の健康を祈願する伝統的な祭り。
石垣島以外にも西表島をはじめとする八重山諸島の各地域で行われています。
旧暦7月の旧盆中に、面を被ったウシュマイとンミー(お爺さんとお婆さん)と、仮想したファーマー(妖精)たちが、指定の家々を回り歌や踊り、押し問答などを披露する伝統行事。
旧暦7月13日の旧盆初日。
精霊迎えといって、仏壇にお供えをし、亡くなって精霊となったご先祖様をあの世から迎える儀式を行います。
旧暦7月14日のことで、旧盆の中日(なかび)のことをいいます。
この日はお中元を持って行ったり、親族の家をまわり、お線香をあげてうーとーとー(仏壇を拝むことやお祈りをすること)をします。
旧暦7月15日に行われる、旧盆で最も重要な日。初日に精霊を迎えて、最終日に精霊を送る儀式を行います。
この日は、先祖をあの世に送る際に先祖様が途中で困らぬよう、うちかび(あの世のお金)を燃やして、先祖の霊にお渡しします。
旧暦9月7日に行われる、とてもめでたい行事。
数え年97歳に盛大な祝宴が行われる長寿祝いのことです。
世界屈指の長寿として知られる沖縄県ならではの行事で、最近では減りましたが、オープンカーに乗ってパレードさながらの祝宴を地域で行うこともあります。
かじまやーとは風車のことで、97歳になると子供に戻るという言い伝えがあり、子供が喜ぶ風車を持たせたことから、この祝宴をかじまやーと言われるようになったそうです。
石垣島(たぶん沖縄本島も)では旧盆の日、特にうーくいの日は海に行ってはいけないという言い伝えがあります。
その理由は、ご先祖の霊と一緒に成仏できない霊がいて、寂しいあまりあの世に一緒に連れて行ってしまうからということです。
本当かどうかは定かではありませんが、大昔(数十年前)に旧盆中に水難事故で亡くなった説(だれかは不明)、沖縄の怖い話の題材になってたりするので、旧盆の3日間は海に近づかない方がいいと個人的には思っています。
なみに、この3日間は漁師は海に出ません。
沖縄の伝統行事に密接にかかわっている旧暦は、今後も大切にしていきたいですね。
この記事を読んで、少しだけでも、沖縄の歴史やアジアとの強いつながりを理解していただけたら幸いです。
旧暦行事については、大小いくつもの行事があり、すべてを解説することはできませんでしたが、今後は今回紹介できなかった行事についても調査し、本サイトを通して沖縄文化を体験していただけるように運営していきたいと思います。